- 遠い
- とおい【遠い】(1)空間的に, 隔たりが大きい。
「~・い国」「~・く離れている友」「~・い空」「山頂まではまだまだ~・い」
(2)時間的に隔たりが大きい。「~・い昔のこと」「そう~・くない将来」
(3)なかなかそうならない。 その段階に達するにはまだまだである。「完成にはまだ~・い」「合格には~・い成績」
(4)(ア)関係があまりない。「我々の気分とは~・いところにある」「近うて~・きもの, 宮の前の祭思はぬ/枕草子 166」(イ)血縁関係が薄い。 「~・い親戚」(ウ)親しくない。 疎遠だ。 「その後彼とも~・くなった」
(5)性質や内容が似ていない。 似つかわしくない。「ハンサムというには~・い顔だ」
(6)(ア)(「気がとおくなる」の形で)意識がはっきりしない。 また, 程度が激しすぎて, 意識を失うほどである。 「気が~・くなるような大金」(イ)(「目がとおい」の形で)遠視である。 (ウ)(「耳がとおい」の形で)聴覚が弱い。⇔ 近い→ 遠く﹛派生﹜~さ(名)遠い一家(イツカ)より近い隣(トナリ)いざという時には遠くにいたり疎略にしている親類より, 近くにいて親しくしている他人の方が頼りになる。 遠くの親類より近くの他人。遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ戦場で, 武士が名乗りをあげるときの言葉。遠き慮(オモンパカ)りなければ必ず近き憂えあり〔論語(衛霊公)〕将来の方針もなく目先のことに追われていると, 必ず近いうちに困ることが起きる。 遠慮なければ近憂あり。遠きに交わりて近きを攻む⇒ 遠交近攻遠きに行くは必ず邇(チカ)きよりす〔中庸〕物事を行うには, 順序を追って一歩一歩進まなければならない。遠きは花の香(カ)近きは糞(クソ)の香遠いものを尊び, 近いものは軽んじるのが世の常であるというたとえ。遠くて近きは男女の仲(ナカ)〔「枕草子(能因本)」一七一段による〕男女の仲の意外に結ばれやすいことにいう。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.